くうきあなの繋がる果て
体調が悪い。
油断すると悲しみが押し寄せてくる。
不安で震える手に力が入らない。別に怖いことなど何もないとわかっているし、無理に動いたって別に死なないとはわかっている、でも、動くとますます息苦しくなって絶望する。
特に私の環境には悲しむべきものはないし、過去を振り返ってもさほど重大な事件はない。
一体どこから、この悲しみが湧いてくるのだろうかと思う。
いつも「くうきあな」と表現するあなは、感覚て言うと、鳩尾から胸骨にかけてある。
あながあいていて、そこから力が抜けて行く、吸われていく感じがする
そしてそこから悲しみが湧き出しているなら、その穴はどこに繋がっているんだろうか。
もし、人類の悲しみのスープみたいなものがあって、そこにその穴が繋がっていて、吸い上げているのだとしたら面白いなと思う。
私が吸い上げることで、誰か幸せになっているかもしれないし、別に誰も幸せになっていないかもしれない。
まあ、ただの妄想である。