くうきあなのはなし

愛は孤独を救わない

元旦、雪の日

幼い頃、元旦はいつだって一面の真っ白な雪景色だった。

朝、地元の神社を詣でるために踏み出す外の空気は冷たく、真っ白だった。

 

いつからだろうか、その雪景色が失われたのは。

0:00に日付は切り替わる。その特別な瞬間は、毎日訪れるはずなのに、年が変わる日だけは特別だった。

でも、大晦日だけ日付が変わるまでの夜更かしが許された頃の自分と、徹夜で勉強するようになった今の自分にとってでは、時間というものの連続性が事なってしまったのだと思う。

周りを見ることも出来るようになって、年末が近づくと、それが年末というものへ向かっていくと同時に新年へ向かうものであると痛感させられる。

だって、年賀状が12月半ばに準備され、「謹賀新年」と印刷してあるのだから。

神社仏閣の初詣に向けた飾り付け、それらがどうしても12月31日と1月1日の連続性を意識させてしまうようになった。

 

でも、今年からはまた雪景色に向かいたいと思った。

おせち料理を食べ、働きづめの父が唯一休んでお酒を飲み。

今年は雅号、「童真」の文字通り、幼い心に帰って、中学時代の書道道具など出してきて、書き初めもしてみた。

あんなに難しかった書道はどこへ行ったのだろう。どう筆を置けばどうなるかが明確に感じられた。

 

雪景色の白は続く。

ツイッターにてフォローさせていただいている、ぷしこま先生のように

psykoma.hatenadiary.jp

私も、1月1日という白紙の365が待ち受ける手帳に今日のことを刻み込んだ。

 

行く道は白い。

12月31日と1月1日が繋がっていると知ってしまったからこそーーその繋がりを、意識的に断つのだ。