くうきあなのはなし

愛は孤独を救わない

香水と沼と私と

よくオタクが何かにはまると抜け出せないという意味で沼と例えられるが、香水も沼である。

 

私が初めて買ってもらったのはCHANELのクリスタル。

残念ながら今はほとんど活躍していない。

 

香水というのは、売り手側にとっては清涼飲料水のようなもので、一応管理された花畑や拘りの抽出方などあるが、それでも一万円に届く品物になるものではない。

どのくらいの利益率かは私は知らないが。

 

そもそも有名メゾンの化粧品ラインというのは、手軽にそのブランドに触れ好きになって貰うことと、利益の追求にある。

ブランドの広告費には莫大な費用がかかっており、それをそこから賄うわけである。

 

でもそんな香水沼に私ははまってしまった。

 

香りというのはその人の個性で、主張でなければならないと私は思っている。

洋服と同じように、まとう香りで自らを演出するのだ。

 

また、様々なパターンの香水がこの世に溢れていて、フローラル一つとってもトップからラストまでの香りたちは異なる。

好奇心旺盛な私は香水にどんな世界があるのかとワクワクしてしまう。

 

更には香水瓶。こちらもデザインが凝っており、集めるとまた良い。

 

色々な香水を渡り歩いた。

名香と名高い作品やそのヒットの歴史、人々の受け入れられ方、時代と共に変遷する価値観を香水を通じて見ることが出来る。

 

たとえばno.5などは今や飽きられ、古臭くみなされ、それに気付いたCHANELはより新しいno.5を生み出した。

でも、私は古典的な作品の方がすきで、元祖のno.5を、愛用している。

 

今のところの私のお気に入りは、エルメスのジュールドゥエルメスアプソリュ、CHANELのno.5とEGOISTだ。

 

香りを纏うとさあ出掛けるぞ、と表向きの顔になる。

寝る時に使うのも良い。

もしこの記事を読まれて興味を持たれたなら、ぜひ香水のカウンターに行ってほしい。

 

沼だけれど、自分にしっくりくる香りを見つけた時の喜びと来たら、たまらないものなのだ。