くうきあなのはなし

愛は孤独を救わない

センチメンタルの程度

感傷的な物語や詩が好きだが、センチメンタルにも程度がある。

やわらかく頬を撫でるようなものから、心臓を握りつぶしにくるものまで。

 

井伏鱒二の勧酒の訳などそうで、もう私はあれを見ただけで死んでしまいそうになる。

サヨナラダケガ人生ダ

 

普通に訳されたものなら、「人生に別離はつきものだ」と優しいのに。

 

だから、とにかく心臓を潰しに来るセンチメンタルからは逃げている。

なぜって、私の病状を悪くするからだ。