くうきあなのはなし

愛は孤独を救わない

TOKIO山口さんのお話

病院見学に来ております。

私は去年の11月まで、マトモに体系立てて臨床医学の勉強をしていませんでした。

ポリクリも全く分からないまま実習に出て、症例については調べるという感じで、まあ言ってしまえばその場しのぎな実習になっていました。

 

国試の勉強を一応一通り終えて、初めて病院実習という場に立ってみて、患者さんについて鑑別診断が上がってきたり、具体的な数値のことや気をつけなければいけない合併症など頭に浮かんできて、medu4で学んだ知識が色彩をつけるのを感じました。

 

それと、私は実習は午前午後出るだけでクタクタになっていましたし、外来見学で3時間程度じっとしているということも息苦しくてできなかったのですが、こなせるようにはなっていて(疲労感はなんだかんだありましたが)研修医になっても頑張れる体力が身につきつつあるのかなと実感しております。

 

そう、それで、本題。

TOKIOの山口さんも双極性障害だったんですね。

小さい頃は、芸能人という存在に対して華やかさしか感じていませんでしたが、物分かりも良くなってくると、例えば女優さんがしなければいけない努力だとか、芸人さんのいつも明るい姿だとか、取らなくちゃいけないor求められてるテレビでのリアクションというものが見えてきて、やはりどんなタレントさんも、視聴者を楽しませるという点で同じですから、どんなに辛いことがあっても明るく笑っていなければならないというのが大変だろうなあ、と思うようになっていました。

 

私は塾講師のアルバイトをしていました。

極度の鬱状態の時、個別指導だと体調不良でずらしてもらえたり対応が取れるのですが、集団授業だとそれができません。

だから、涙がこぼれそうでも、息が苦しくて普通にしてるだけで胸が締め付けられる思いでいても、回らない頭を無理やり回して授業をしなければいけない時がありました。

恩師は、大病を押しても辛い肉体で教壇に上がっていた人でしたから、余計に自分も頑張らなくちゃいけないと思っていました。

不思議と、まるで役者のようになんとか上部だけは授業を進めることができたのです。

身が入っていたかといえば、NOになってしまいますが。

 

私なんて、十数人を目の前にしてのパフォーマンスでしたけれど、山口さんの場合は全国放送の生中継の中で、死にたいくらい辛い時でも「元気に朝の皆さんを送り出す」番組を作らなくちゃいけなかったんだな・・・と思うと。

笑顔を作るのは、きっと悲鳴をあげるように辛かったんだろうなと思います。

 

精神疾患を一度患ってしまうと、よく鬱は心の風邪だなんていいますが、私の持論ではあれは癌なのです、ですから、じわじわと体が蝕まれて休まる時がありません。

仕事などをしながらではとても治療に回せる時間も持てませんし、多忙な芸能生活の中で、いわば「心のゆとり」バロメータをじわりじわりとすり減らしていくような生活だったのだろうな、と想像に難くありません。

結果的に飲酒や、もっと悪ければ覚醒剤であるとか、手が届いてしまう範囲でいえばブロン一気なんてやりながら日々を凌ぐようなことをする羽目になるんですよね。

 

私もオーバードーズ寝逃げして人生を早送りして(誰かがこういう表現を使っていて言い得て妙だと思いました)幻覚の残る頭でポリクリに出て白衣に模様が見えたり病室から音楽が聞こえて来たりとか、かなり崩れた生活をしてしまっていたことがありました。

 

山口さんにとっては、TOKIOをやめてしまったり、芸能界引退ということにもなって、とても残念な結果ではありましたが、ゆっくりと休める時間がやっと持てるようになって、治療にも専念できるようになって、心休まる時間になったのかな・・・なんてことも思います。

その時間がどうかとか、辛いかとか、そう言ったことは結局山口さんご自身が感じてどうこうされることなので、ネットの片隅で一個人がただ想像しているだけなのですが。

 

でも、山口さんを叩く声がある中で、セクハラとかその辺は別として、アルコール依存症双極性障害という重病を抱えていらっしゃると知ると、どうかご病気が良くなりますようにと応援したくなるものです。

同じ病気を抱える者として。

結局、病の辛さっていうのは、なったことのある者にしか分からないってとこはあると思うので。

DASH村の時から、器用になんでもこなして仲間を引っ張って来られた山口さん。

鉄腕DASHで親しみを持って眺めていた姿だからこそ、今は無理をしなくてもいい、心安らかな世界で休んで欲しいなあ、なんてことを友達に思うように思います。

 

すみません、感情たっぷりで。

でも、どこかで山口さんの静養を応援している人がいるということが、残せればいいなと思った次第です。