くうきあなのはなし

愛は孤独を救わない

GS美神というバイブル

GS美神 極楽大作戦!! 私(27)世代らには朝の再放送でお馴染みだったアニメだと思います。夏休みのね。

 

で、何の因果だったか忘れちゃったんですけど、なぜだか私は唐突にあの漫画をブックオフで手に取り、ものの見事に魅せられました。

アニメ化されていない、横島のGS試験編以降が結構本番なんです。

最終的に主人公無双みたいになっちゃいますけど、そこは椎名先生らしくツッコミを入れられてて、許せちゃう。

 

今、椎名先生は絶対可憐チルドレンを連載中ですけれど、こちらに比べるとGSの方が若さと勢いが凄いんです。

まあ、ぶっちゃけてしまうとすごく童貞くさくて、思春期らしくて、いいんです。

どのキャラも愛おしくてあっちでガヤガヤこっちでガチャガチャなそんな漫画です。

 

で、そのGSがなぜバイブルかっていうと。

私にとって、憧れの「男」はモンテクリスト伯エドモン・ダンテスなんですが、憧れの「女」は美神令子です。

サブキャラであるはずのおキヌちゃんの方が男性人気が高かったことからも分かるように、決して「女性としてのお手本」とは言い難い。

 

美神令子は金の亡者でボランティアなんて大嫌い。本当にいいとこなんてなーんにもない人なんです。

でも、彼女の生き方はキョーレツに力強い。

金稼ぐ!楽しい!幸せ!以上!

そんな感じ。

 

私はついついあれこれ考えてしまう人間だから、そうはなれないし、そうなってしまうと私のアイデンティティが失われると感じますけれど、「幸せに生きる方法」の正答を全力で示してくれてるように思う。

 

よく思えば一生なんて毎日の積分で、要は今日さえ楽しければそれでいいんです。

こう書くと宵越しの銭は持たないぜ的な危うさを感じますけれど、美神さんの場合はその危うさがない。

 

「コンシャスなドレスから ゴージャスなライフも いつだって 後からついてくる それが私のスタイル」

ですから。

 

金を追うな、というのは多くの成功者が口にすること。

金は後から付いてくる。

 

こんなわけのわからん人をヒロインにしてしまった椎名高志はどうかしてますし、多分こんなヒロインは他の漫画にいないんじゃないでしょうか。

 

でもそのリアルさが好き。

誰かのためじゃなく、自分のために行動して、それが人の為になる。

偽善者、別に悪くないし人の為と思うことは素晴らしいことだと思いますけれど、誰のためでもなく自分のためで、それが結局人の為になるっていうのは、更に素晴らしいんじゃないかな、って思うんです。

 

ま、そんな精神科医になりたい。

だって外病院で出会った先生に言われましたから。

「患者さんのため」なんて思っちゃいけないんだよ、って。

それは真実だと、思うのです。